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「オプサー以外の代替案がなかった」パートナープロップのリブランディングを支えたデザイナーとの出会い方
株式会社パートナープロップ 代表取締役 井上 拓海 氏
PRM(パートナーリレーションシップマネジメント)サービスを展開するパートナープロップ。グローバル展開を見据えた同社が、アーリー期からブランド投資を行う理由とは?
CEO直下にブランドチームを設置し、オプサーで出会ったハイレイヤーなクリエイターと実現したリブランディングの舞台裏を、株式会社パートナープロップ 代表取締役 井上 拓海 氏 にインタビューしました。

株式会社パートナープロップ
代表取締役 井上 拓海
株式会社リクルートのSaaS事業にて「Airペイ」などAirシリーズのアライアンスの戦略設計〜推進を実施。月間受注数が数十件から数千件にグロースを実現。その後、同社にてプロダクトマネジャーとして新規事業の立上げを経験。現在は、パートナービジネスを科学するPRMツール「PartnerProp」を創業。これまでにスタートアップから大手企業まで、数々のパートナービジネスを支援。
企業の声とは、オプサー利用企業の皆様へ活用方法を伺う導入企業インタビューシリーズです。
PRMを展開するパートナープロップが実践するCEO直下のブランドチーム体制
―まず、パートナープロップの事業内容と井上さんのご経歴について教えてください
井上氏 弊社の事業内容は、販売代理店などを通じたパートナービジネスを最適化するためのPRM(パートナー・リレーションシップ・マネジメント)クラウド「PartnerProp」を開発・提供しています。
メーカーとリセラー、そしてその先にエンドクライアントがいる構図で、従来リセラー側の関係性構築は勉強会や足繁く通うといった、手間のかかる活動が中心でした。これを仕組みで解決できなかった部分に対し、グローバルではPRMという仕組みがあり、それを日本でも展開しています。現在、国内では競合が少ない状況で展開を進めています。
私自身は、前職がリクルートで決済サービス「Airペイ」やPOSレジアプリ「Airレジ」といった「Airシリーズ」に携わっていました。キャリア初期はパートナーチャネル戦略の設計・実行を行い、最後は事業企画として、プロダクト全体に関する戦略や事業計画策定を担当していました。
―現在のデザインチーム体制について、どのような組織構成になっているのでしょうか?
井上氏 開発部門ではなく、CEO直下に置いています。基本的にマーケティングとプロダクトのデザインが同じチームで、私とデザイナー、PdMが所属しています。
―CEO直下にデザインチームを置いている背景には、どのような戦略的な考えがあるのですか?

井上氏 B2Bサービス、特に日本企業はブランドに力を入れきれていない傾向があります。グローバル企業ではDocusignのようにリブランディングに何十ページもの資料を使う例もありますが、日本でブランドに強い意思を込める企業は多くありません。私たちはグローバルトップを目指す中で、ブランドの観点でもグローバル水準に引き上げていく必要があると考えています。そのため、デザインチームというより、ブランドチームとして組織を置いています。
私自身もデザインが好きで、完全独学ですが学生時代のときに3年くらいやっていました。動画編集や画像編集もしていましたし、初期のサービス資料から作成に私も携わり続けています。
B2B理解とハイレイヤーなスキルを兼ね備えたデザイナーとの出会い
―なぜオプサーを利用することになったのでしょうか?
井上氏 アウトプットベースでデザイナーさんを探せるという点が大きいです。知人にハイクラスデザイナーがいたとしても、その方のポートフォリオを全て把握することはできません。また今回のリブランディングのように「B2Bサービスでモダンな雰囲気を両立させる」必要があった時、B2Cデザインの実績が多くあるだけではうまくいかないことがあります。そのため、一定のB2Bへの理解も必要になってきます。
そうすると履歴書だけではわからないし、実績ベースで見たい。今回のような「ハイレイヤー」かつ「変更が効かない」デザインとなると、両方を兼ね備えた人材と出会えるサービスが全く見つかりませんでした。そんな時、イベントでオプサーさんのことを知り、実際に使ってみると、ハイレイヤーで品質の高いポートフォリオしか掲載されておらず、その中から探せるという点が、今回のリブランディングにとって最も良いチャネルだったと感じています。逆にオプサー以外の代替案がありませんでした。
―実際にデザイナーさんとお仕事をされて、どのような点が印象的でしたか?
BRAND MOVIE-未完成の領域である共創の世界を、パートナープロップがあらゆる企業のパートナーとして力強く支えてゆくことをビジュアル化した
井上氏 今回のロゴ案件では、元々まとめていたブランドアイデンティティを体現できるデザイナーを探していました。
お取り組みさせていただいたデザイナーさんの驚いた点は、まず物量がすごいことです。4〜5案ほどご提案いただけるかと思っていたら初回で40〜50案、その次も40〜50案、合計で200弱の案を出していただきました。これほどの物量だと、デザインの方向性(シェイプも含め)を口頭で細かくすり合わせていくのではなく、クリエイティブから選んでいけるため、スムーズに意思決定できました。その分、デザイナーさんの工数はかかりますが。方向性が決まると、そこからバリエーションが展開され、洗練化されていきました。
私はクリエイティブ領域においては素人なので、言語化はできても、クリエイティブを形にした時に「垢抜けさせるアイデア」がありません。ヒアリングをうけても、おそらくアイデアは出てこなかったでしょう。それをクリエイティブとして「このアイデア、こっちのアイデアはどう?」と提示していただいたので、非常に助かりました。広告会社やデザイン会社ではない、我々のようなスタートアップにとって、非常にありがたいパートナーだったと思います。
グローバル展開を見据えたアーリー期からのブランド投資戦略
―4つのブランドマテリアルを公開した際にXで「日本発でグローバルリーダーになるべく、ブランド構築に本気でコミットします」と投稿されていました。このフェーズでデザインに大きく投資された理由について教えてください
【PartnerPropは次のステージへ】
— Inoue.|PartnerProp CEO (@saasprm) June 12, 2025
PartnerPropは、『パートナーマーケティング』を次なるステージへ進めるためにブランドを一新しました。
Airbnb, Docusignなどグローバルを代表する企業は、ブランドに大きな力を入れています。… pic.twitter.com/R834e2PiA1
井上氏 B2B SaaSに関わらず、グローバル企業はアーリー期からブランドの仕込みを始めています。例えばAI化を進めるなら、先端テック系のブランディングを行い、ブランドに意味を込めて徐々に変容させていくことを、シード期から行っている企業が非常に多いです。そうすることで、ブランドの歴史にファンもついていきます。
日本のB2B SaaS企業は、レイター期に入って初めて投資を始めることが多いですが、そこから一歩、グローバル水準に引き上げていくという姿勢を最初からやっていかないと、次のリブランディングに繋がりません。ちょうど我々も次のステージに上がるタイミングで、さらにアップデートさせることを考え、ブランドのストーリーをしっかり作っていくという観点から、最初からスタートしています。
―未来を見据えた上で今回リブランディングを行う際に、特に気をつけたことはありますか?

井上氏 最終的なゴールはグローバルナンバーワンになることです。グローバルナンバーワンを見据えた時、日本にローカライズしすぎたロゴを作ってしまうと、その後のリブランディングが非常に難しくなります。例えば、ロゴにカタカナで「パートナープロップ」と日本語が入ったり、ロゴを作るときにカタカナで意味を乗せたりすると、フェーズに合わせてストーリーを変えづらくなります。今はメイン市場を日本をとしていますが、日本にローカライズさせつつも、次のリブランディングでグローバルに展開できるギリギリのラインを保ってブランドを作りました。
私たちはテクノロジー企業というブランドなので、グラデーションを用いてテック感を出すデザインにしました。これは紙媒体に落とす時に大変な面もありますが、今回は紙よりもWebに振り切った表現を採用しています。
―実際にリブランディングを実施されて、どのような効果や反響がありましたか?
井上氏 究極的にはリブランディング自体の反響は無いと考えています。どちらかというと、社内と外部に出ていくマテリアルに対し、今回のリブランディングをベースとしたデザインの統一感を作っていくことがメインでした。
しかし採用へ効いている実感があります。デザイナーさんが、「アーリー期のB2B SaaSでここまでデザイン投資をしている」という点に注目してくれます。デザインへの投資は、優秀なデザイナーを確保するための必須条件だと考えています。ブランドサイトも非常にリッチに作られており、我々がデザインに投資している姿勢が伝わるかと考えています。
またデザイン領域において最もベンチマークにしているのは、AirBnb。AirBnbは独自にデザインエンジニアリングの組織も持っており、その水準に到達するためには、今から仕込んでおかないと、上場した後にやっても間に合わなくなると考えています。だからこそ、今のうちに全て作り上げるのが必須の初期投資です。グローバルの中でもトップレイヤーとしてベンチマークされる会社になっていくことを、プロダクトチーム、デザインチーム、ブランドチームとして目指しています。
「パートナープロップのような」と言われるブランドを目指して

―今後、事業においてどのような取り組みを考えていらっしゃいますか?
井上氏 デザイン面に切り取ると、日本国内のB2Bにおいて、デザインやクリエイティブでベンチマークとされる会社になることを1〜2年という単位で作りにいくということをファーストステップとして目指しています。そして、5年後を見据えると、グローバルな企業が私たちのサービスサイトやプロダクトを見て、それをベンチマークとするような状態を目指したいです。例えばAppleの表現に似通った企業や、広告だとNewsPicksのような表現方法を目にする機会があると思います。「Appleっぽい、NewsPicksのデザインっぽい」というように、「パートナープロップのような」という形容詞が使われることを目指しています。
―最後に、どのような企業にオプサーを使ってほしいと思いますか?
井上氏 スタートアップで、UIやその他クリエイティブへ力をいれていきたい企業には使ってほしいです。クリエイティブ領域に力を入れたいと考える場合、選択肢は採用か外部依頼しかありません。しかし、ハイレイヤーな人材を社内で採用するのは非常に難しいです。外部に依頼しようとしても、ハイレイヤーの人材が集まっている場所がなく、仮にあったとしても、その方のクリエイティブを一覧で評価できないという問題があります。デザイン、クリエイティブに力を入れるのであれば、オプサー以外の選択肢は無いと感じています。
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