オプサージャーナル
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Bean to Bar Chocolate「Minimal」に聞く、オプサー活用によるデザインの拡張 - 実力派クリエイターとの出会いがブランドに新たな息吹をもたらす

兒嶋仁視

投稿日2025年05月20日
更新日2025年05月30日

素材と製法にこだわり抜いたBean to Bar Chocolateの先駆け「Minimal」。バレンタインとホワイトデーのギフトシーズンに向け、新たなラッピングデザインを検討する中で、ビジネスマッチングサービス「オプサー」を通じて新たなクリエイターと出会い、デザインの拡張を実現しました。今回は、Bean to Bar Chocolate Minimalのブランドを運営する株式会社βaceにて、ECチームリーダーを務めている兒嶋さんに、オプサーを利用し、デザイナー探しを始めた背景から、実際にデザイナーへ依頼したプロセスや成果、そしてMinimalのブランド哲学について深くお話を伺いました。

株式会社βace / Minimal - Bean to Bar Chocolate - ECチームリーダー 兒嶋 仁視 氏

サンスター株式会社の自社EC責任者を経て、2021年よりMinimal - Bean to Bar Chocolate - を展開する株式会社βaceに入社。新規施策開発、デジタル広告、UI/UX改善やCRM施策、システム構築までデジタル関連施策をECチームリーダーとして取りまとめる。

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Minimalがオプサーで実現する、実力のあるデザイナー探索とギフトラッピングのデザイン拡張

―本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。まず、兒嶋さんのミッション、役割、そして普段の業務範囲についてお聞かせいただけますでしょうか?

兒嶋氏
株式会社βaceでMinimal Bean to Bar Chocolateを運営しており、ECチームのリーダーとしてECサイト全体の統括とグロースを担当しています。

Minimal - Bean to Bar Chocolate – ECサイト
Minimal - Bean to Bar Chocolate – ECサイト https://mini-mal.tokyo

―今回、オプサーを利用されることになった背景には、どのような組織的な視点や課題があったのでしょうか?

兒嶋氏
Minimalでは、デザインに関して、これまで主に一人の担当デザイナーの方にお願いしていました。その方とは長年良い関係を築けておりますが、ブランドをさらに成長させていくためには、デザインの幅を広げていくことも必要だと感じていました。ここ2〜3年ほど、新しいデザインを担える方、パートナーを探してみてはいたのですが、なかなか巡り合うことができずにいました。そんな中で、オプサーを知り、新しいデザイナーさんとの出会いのきっかけになるのではないかと期待したのが利用の背景です

実際、オプサーは、通常のビジネスマッチングサービスと異なり、登録クリエイターはスキルや条件に加えて、過去に手がけた案件のポートフォリオの詳細や具体例が提示されているため、デザイナーを探しやすく、今回のデザイン改良にあたって、私が実現したいと考えているデザインのアウトプットを期待できる人を決めやすいのではないかと感じ、利用しました。

オプサーのサービスサイトはこちら

ギフトラッピングのデザイン改良の背景、狙い、成果

―今回のプロジェクト、バレンタインとホワイトデーのギフトラッピングのデザインについて、改めて具体的な内容や課題についてお聞かせいただけますでしょうか?

兒嶋氏
Minimalのチョコレートは、ご自身で購入されるお客様と、ギフトとして購入されるお客様とで大きく分けられます。ギフトとしてのニーズは高く、売上にも貢献しているのですが、さらに大きなインパクトを生み出すためには、ラッピングなどのデザイン面での強化も必要だと考えていました。そこで、季節感や情緒的な要素を取り入れつつ、Minimalらしいブランドイメージも表現できるような新しいアイデアを求めてご相談しました。

―お話の中に、お菓子業界では一般的にセルフユースよりもギフト需要の方が大きいというお話がありましたが、Minimalも同様の傾向でしょうか?

兒嶋氏
Minimalの場合はご家族で楽しまれるなど、セルフユースの需要も少なくありませんので、市場の構成と全く同じではありませんが、Minimalでもギフトの用途は非常に大きいと思います。

―今回のプロジェクトのアウトプット、成果についてはどのように捉えていらっしゃいますか?

兒嶋氏
バレンタインとホワイトデーのラッピングを製作していただきましたが、特にホワイトデーのラッピングは多くのお客様にご利用いただけている実績が出ています。SNSでも「おしゃれなラッピング」といったコメントが見られ、非常に好評です。

もともと、Minimalで展開していたギフトラッピングは、上質感や洗練感を重視していました。そのため、モノトーンなデザインなどもこれまで多かったのですが、今回、デザインの改良にあたってMinimalのギフトをもらった人が「センスの良いものいただいたな」や「自分が誰かに贈り物をするときにもMinimalにしようかな」と思えるような情緒感や、季節性といったものを表現したいと考えていました。
そうした点を、非常に上手に引き出して頂いたのではないかと感じています

Minimalラッピングデザイン
Minimalのラッピングデザイン
Minimalが今回採用した実際のラッピング

オプサーが実現したスムーズなクリエイターとのコミュニケーションとデザインの品質への確信

―実際にオプサーをご覧になって、すぐに数名の候補者がいらっしゃいましたか?それとも、ピンポイントで「この人だ!」というクリエイターが見つかったのでしょうか?

兒嶋氏
今回のプロジェクトでは、プロダクトデザインやCIといった企業やブランドの根幹に関わる部分はスコープ外として、季節のラッピングのようなスポット的なデザインを依頼したいと考えていました。そのため、まずはパッケージやラッピングなどのグラフィック領域のポートフォリオを持つクリエイターを中心に探しました。その中で、4〜5名ほど「このデザインを作った人なら話を聞いてみたい」と感じる方がいました

―「この人の話を聞いてみたい」と思わせた、直感やデザインの決め手は何だったのでしょうか?

兒嶋氏
現状のMinimalのデザインとの親和性を感じられるポートフォリオを持っている方中心にリストアップしました。ラッピングとはいえ、既存のデザインと比較して浮いてしまわないように、最も優先した要素がブランド親和性です。

親和性を感じられる方の中で、今回、新たに試してみたいと考えていた軸として、カラーバリエーションとタイポグラフィの組み合わせという要素がありましたので、その二つの組み合わせが上手な方、ポートフォリオの中で印象に残ったアウトプットを持つ方にお声がけをしました。

―最終的に、その4〜5名のうち何名の方と面談されたのでしょうか?

兒嶋氏
案件相談のオファーを出したのは2名で、そのうち1名の方とはタイミングが合わず面談には至りませんでした。ですので、実際に面談したのは1名で、その方に今回のプロジェクトをお願いすることになりました。

―そのお一人と面談された際、率直にどのような印象を受けましたか?

兒嶋氏
事前にポートフォリオをしっかり見ることができていたので、最初のミーティングでは、そのデザインの背景やプロセスについて深く掘り下げることができました。そのため、非常にスムーズに進んだという印象です

―デザイナーを起用するにあたり、契約プロセスやオプサー側のサポート体制、料金体系などは他のサービスや一般的なクリエイターとの協働案件と比較して、オプサーはご満足いただけたでしょうか。

兒嶋氏
オプサーのサービスサイトから依頼し、面談に進んだあと、デザイナーさんとのやりとりは基本的にチャットベースで進行できたので、非常にスムーズに感じました。また、費用面についても、こちらの予算をもとにご相談と調整をしていただくこともできましたので満足しています

クリエイターやデザイナーとの協働、ビジネスマッチングにおいて企業が重視すべきこと

―具体的には、どのような会話をされたのでしょうか?兒嶋さんからはプロジェクトの概要をお伝えされたのだと思いますが、クリエイターの方にどのような点を重視してお話をされましたか?

兒嶋氏
オプサーに掲載されているポートフォリオだけでなく、それ以外の過去の作品も見せていただきながら、それぞれのデザインに至った背景やプロセスを詳しくお伺いしました。あらゆる仕事は一人で進むものではないので、その方がどのようにアウトプットを出してきたのか、周りの人との関わり方や、考え方なども含めて確認したかったからです。

―今回、スムーズにプロジェクトが進んだとのことでしたが、これまで兒嶋さんが経験されてきたクリエイティブワークと比べて、進め方に何か違いを感じましたか?あるいは、オプサーのようなサービスを利用するからこそ意識した点などはありましたでしょうか?

兒嶋氏
一番意識したのは、Minimalのブランドの考え方や、それに関わる個別の要素を先方にしっかりと伝えること、そして、先方がそれをどのように解釈し、どのようなアウトプットを出せるのか、という点です。通常の面談やデザイナーさんのアサインでは、このすり合わせに時間がかかることが多いと感じていますが、オプサーの場合は、事前にデザイナーさんのポートフォリオを見ることができているので、こちらの意図を伝える上での課題感は軽減されました。ただ、どこまで具体的に伝えれば良いのか、という点では少し手探りの部分もありました。

―それは、兒嶋さんの中で、どこまで情報開示して良いか判断に迷われたということでしょうか?あるいは、クリエイターの方の理解度に対して、少し不安を感じる部分があったということでしょうか?

兒嶋氏
両方あったかもしれませんが、私が遠慮してしまい、こちらが意図するラインを全て伝えきれていない部分があったと思います。クリエイターの方がどこまで汲み取っていただけるかは事前には未知数だったので、コミュニケーションの程度の問題ですね。ただ、直接やりとりしているので、何かそれによる問題や課題があったというほどではありません。

―クリエイターの方と直接やり取りをされたとのことですが、間に代理店などのパートナーが入る場合と比べて、どちらの方がやりやすいと感じましたか?

兒嶋氏
個人的には直接やり取りする方が良いと感じています。もちろん、個人間であってもディスコミュニケーションが発生する場合もありますが、結局、直接対話する方が、コミュニケーションのバランスを調整しやすいと思います。

オプサーのようなクリエイタービジネスマッチングがフィットする企業とは

―今回、Minimal様でオプサーを利用されてみて、どのような企業であればオプサーがよりフィットすると思われますか?

兒嶋氏
オプサーが他のビジネスマッチングサービスや、クリエイター・デザイナーの派遣サービスと最も異なる点、特徴的な点は、やはり、ユーザーサイドである企業自身が、自らクリエイターのポートフォリオを事前に確認し、自社の事業課題やデザイン課題にフィットしたクリエイターを名指しで相談できるという点だと思います。

そのため、オプサーを利用するユーザー企業には、ある種のクリエイティブやデザインに関するリテラシーが求められると思います。

したがって、ある程度、自社内でデザイントンマナを理解していて、それを言語化できる担当者がいる企業であれば、オプサーは非常に有効だと思います。どのようなデザインを求めているのかが明確に伝えられれば、マッチングによって最適なクリエイターと出会える可能性が高いからです。

しかし、“なんとなくいいデザイナーいないかな”とか、“なんか新しいことやりたい”のように、与件が定まっていない企業、自分たちが何を達成したいのかが曖昧な企業はオプサーを利用するハードルはやや高いかもしれません。ネガティブな言い方をすれば、オプサーはある意味で、利用者を選ぶサービスでもある、ということです。

しかし、このオプサーの特徴をポジティブに捉えれば、課題を明確化している企業と、それの応えうる力量を有するクリエイターやデザイナーが出会うことができるビジネスマッチングサービスです。つまり、良質なクリエイターと、良質なユーザーの双方がいるからこそ、良質な仕事が生まれる場である、そのような見方もできるかもしれません。

オプサーのサービス利用画面
オプサーのサービス利用画面

Minimalブランドを支える共通認識と柔軟性

―Minimalは社長の山下氏という強力なリーダーシップを発揮される人物がいらっしゃいます。兒嶋さんは現場の責任者としてクリエイターとやり取りされていますが、組織としてブランドの統一感、デザイントンマナはどのように維持されているのでしょうか?山下社長や他の役員の方々とのコミュニケーションなども踏まえて教えていただけますでしょうか?

兒嶋氏
Minimalはこういうブランドだよね、という共通認識は組織内にあると思います。1つ1つが細かく明確に明文化・言語化されているわけではありませんが、目指したい方向性やブランドの空気感のようなものは共有できていると感じています。そのため、クリエイターから提案されるデザインも、大きくブランドイメージから逸脱するようなものはありません。創業から10年ほど経ち、ベンチャー企業でありながらも、そうした共通認識が醸成されてきたのだと思います。

ただ、パッケージを含め、新しい表現に対しては常にPDCAを回しているという認識で、やりたいことに対して頭ごなしに否定されるようなことはなく、それがブランドの空気感に合致するかどうかで判断するという感覚が近いですね。もちろん、最終的な判断として山下や他の役員の意見を聞くこともありますし、そうでない場合もあります。

―それは組織がコンパクトで、社長や幹部に直接確認できる点も大きいのでしょうか?いわゆるブランドマントラのような、ブランドの約束事に関する明確な定義は社内にはないのでしょうか?

兒嶋氏
そうですね、組織がコンパクトであることは影響しているかもしれません。ブランドマントラのブランド論で言及されているような要素一つ一つを細かく定めるまでは行なっていませんが、フィロソフィーやパーパスに通じるキーワードは社内に存在しています。ただ、先ほども申し上げたように、店舗やプロダクトのも含め、表現の仕方については常により良いものを模索してPDCAを回している文化です。Minimalというブランド自体が、まだ成長過程にありますので、ガチガチにルールを定めることよりも、Minimalのまとう文化や空気の先に滲み出していく、新たな可能性や期待の方を重視している、そんな印象です。

ブランドの軸と細部のクオリティを高める企業と人材のカルチャーフィット

―デザイントンマナは共有されている一方、明確なルールはないというお話でしたが、デザインの良し悪しを判断する上での組織体制やワークフロー、意思決定フローのようなものはありますか?

兒嶋氏
これについても特に決まったルールはありません。先ほどお話したように、PDCAの文化が強いと思います。必ず上役の判断が入るのは主にプロダクト周りで、そこはしっかりと研究を重ねながらデザインを進める構造になっています。ラッピングやウェブデザイン、同梱物などは、ある程度、担当者に一任されています。判断に迷う場合は、都度、確認を取るようにしています。尖りすぎた表現になった場合は、意見を聞くこともあります。

―とはいえ、Minimalはクオリティコントロールをきとんとされている印象ですが、どのように実現しているのでしょうか?

兒嶋氏
トップダウンというよりも、社長の意図やブランドに対する考え方を、メンバー全員が一定以上の理解を持っている点が大きいと思います。採用の段階から、そうしたMinimalの空気感に共感できるメンバーが集まっているという点が大きいですね。

―採用の段階から、カルチャーフィットを重視されているということですね。現在、総勢何名くらいいらっしゃるのでしょうか?

兒嶋氏
アルバイトも含めると、100名弱くらいになっていますが、実際にクリエイティブに関わっているのは4〜5名です。

―本社機能というよりも、意思決定の中枢は少数精鋭でしっかりと共有できているということですね。

兒嶋氏
そうですね。店舗も直営店ですので、アルバイトの方々も含めて、現場までカルチャーの浸透はできている企業だと思います。ただ、先ほどもお話したように、トップダウンというよりは、山下の横でメンバー全体が、一緒にブランドを見ているような感覚に近いかもしれません。人を採用する時点で、フィーリングやカルチャーフィットを意識しているからこそだと思います。

Minimalらしさを醸成し、形式知化するための取り組み

―カルチャーフィット重視の採用を実現していても、実際、入社後にMinimalらしさのようなものを共有し、擦り合わせていく必要があるかと思いますが、それはどのように行われているのでしょうか?

兒嶋氏
月に一度の勉強会があり、そこで社長の山下からブランドに関する考え方や情報が共有されます。また、プロダクトを深く理解してもらうために、毎週商品のテイスティングも実施しています。そうした取り組みを通じて、自社のことや商品のことを理解し、愛着を持つメンバーが多いと思います。一般論として、自社のプロダクトを使ったことがないというビジネスパーソンも案外、多いのではないかと思いますが、Minimalではそういったことはほとんどありません。もともとMinimalが好きで入社したメンバーが多い上に、自社や商品の理解が深まることで、さらに好きになっていくという良い循環があると感じています。

株式会社βace / Minimal - Bean to Bar Chocolate – のメンバーのみなさま
株式会社βace / Minimal - Bean to Bar Chocolate – のメンバーのみなさま

―本日は貴重なお話ありがとうございました!

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