
イベントレポート:オプサー主催トークイベント「なぜリードが増えないのか?クリエイティブ投資が生むマーケティング成果」
2026年5月26日(火)、株式会社ヒューリズムが運営する、企業とクリエイターを繋ぐビジネスマッチングサービス「opusr(オプサー)」によるトークイベントが開催されました。
本レポートでは、マーケティングの第一線で活躍し、実際にオプサーを利用している二人のトップマーケター、コミューン株式会社の杉山信弘氏と株式会社GENDAの宮口一勢氏が登壇したセッション「なぜリードが増えないのか?クリエイティブ投資が生むマーケティング成果」の模様をお届けします。
マーケティング施策においてクリエイティブ制作は不可欠である一方で、ROI(投資対効果)の観点から制作費用をできるだけ抑えたい、と考える企業は少なくありません。
しかし、十分に設計されたクリエイティブでなければ、顧客に刺さるメッセージを的確に伝えることは難しいのが実情です。
さらに、単なるリード獲得だけに注力するのではなく、ブランディングと獲得の両軸を意識したデザインを行うことで、ブランドの印象を顧客にしっかりと記憶させることができ、結果として成果の最大化につながります。
市場の最前線を走るトップランナーたちの熱い言葉から、これからのマーケティングにおけるクリエイティブ投資のあり方や、具体的な成果創出のプロセスについてのヒントを探ります。
“オプサー(opusr)”とは?
「オプサー(opusr)」は、株式会社ヒューリズムが運営する、企業とクリエイターを繋ぐビジネスマッチングサービスです。「Create Design Cycle~デザインで社会を循環させる~」という理念を掲げ、クリエイターが実際に手掛けた過去のアウトプットやスキルを可視化し、それを見た企業が最適なクリエイターに直接オファーできる仕組みを提供しています。
マッチングだけに留まらず、マーケティングとデザインが交差する最前線の知見を共有し、ビジネスの成果を最大化するためのヒントを創出する場として、本イベントを主催しています
スピーカー
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杉山 信弘 氏
コミューン株式会社 執行役員 CPO兼CMO
2013年株式会社博報堂に入社。大手製薬会社、アパレルメーカー、大手ファッション通販運営企業、ゲームメーカーのマーケティングを担当。
2017年8月フラー株式会社のCMOに就任。任天堂・ハードオフなどのプロジェクトマネジメントを担当。
2021年3月コミューン株式会社に入社。 2022年に執行役員CMO 、2024年に日本事業の責任者、 2026年に現職に就任。
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宮口 一勢 氏
株式会社GENDA マーケティング室 室長 兼 株式会社GENDA GiGO Entertainment CMO
2019年日本ロレアル株式会社に入社。ロレアル パリでマーケティングを担当。
プロダクトマーケティングを中心にEC、デジタルまで幅広い領域での業務を経験。
2025年株式会社GENDAに入社。マーケティング室所属。
同年より株式会社GENDA GiGO Entertainment マーケティング部 部長を兼任、2026年2月CMOに就任。

多湖 大師
株式会社ヒューリズム 代表取締役
高校から映像制作を開始、大学上京後は企業へ映像コンテンツを提供や企画等を行う。
その後、創業初期のフリークアウトに参画し、複数の組織立ち上げや事業責任者を歴任。
2022年にヒューリズム創業し、クリエイターマッチングプラットフォーム「オプサー」を提供。
モデレーター

松藤 朱音
株式会社ヒューリズム Producer
新卒1年目にSler会社にてセールス業務に従事した後、Skyfallにてアフィリエイト広告営業として4年間在籍。
アプリ事業者・金融事業者への新規営業及びアカウント営業に従事。
2025年10月にヒューリズムに入社。
実務における「オプサー」の活用~多様なニーズに応じたクリエイティブリソースの最適化~
トークセッションの冒頭では、ゲストの2社が実際に「オプサー」をどのように実務で活用しているのかについて、具体的な事例を交えながら語られました。
コミューンにおける活用事例:自社マーケティングと多様なクライアントワークへの対応
BtoB領域でコミュニティサクセスプラットフォーム「Commune」などを展開するコミューンの杉山氏は、オプサーを「自社マーケティング」と「クライアントワーク」の2つの軸で活用していると振り返ります。
杉山氏は、「自社のマーケティングにおいては、ランディングページ(LP)やイベントバナーの制作時に、その時々の目的にぴったりなクリエイターさんとマッチングできるツールとしてオプサーを使っています。
業務委託で特定の個人をベタで雇い続けるよりも、必要なタイミングで最適な人材を紹介してもらえる柔軟性が非常に助かっています」と語りました。
また、同社ではクライアントワークとして複数のコミュニティサイトを運営していますが、コミュニティを盛り上げるためにはクリエイティブが極めて重要になります。
クライアント企業によって求められるトーンは全く異なり、堅実な世界観を求める大企業もあれば、非常にカジュアルな世界観を求めるブランドもあります。
これほど多様なクリエイターを自社だけで抱えるのは難しいため、案件の属性に合わせてアサインを最適化できるオプサーを制作リソースとして重宝していると明かしました。
GENDAにおける活用事例:高いクオリティが求められるコアシステムへのアサイン
一方、M&Aを成長戦略の主軸としているエンタメ企業GENDAの宮口氏は、グループ全体のブランド管理の観点からオプサーを活用している背景を語りました。
宮口氏によると、GENDAは純粋持株会社で、各グループ企業の事業状況にあわせて
GENDA に所属しているエンジニア・BizDev・デザイナー・マーケーターなどが各社に出向する体制を取っています。
アミューズメント施設やカラオケ、フォトスタジオなど事業に合わせてクリエイティブやブランド表現が異なり、さらにはUI/UXのシステムも各々持っているため、柔軟に各社が求めるクオリティに応える必要があり、そこにフィットする人材を見つけるのが難しいという課題を抱えていました。
宮口氏は、「現在、オプサー経由のUI/UXデザイナーの方には、グループ企業の株式会社 GENDA GiGO Entertainment が運営するアミューズメント施設「GiGO」のお客様向けアプリである『GiGOアプリ』の改善や、当社の共通 ID『GENDA ID』のサービス『GENDAポイント』に関わる部分など、重要なコアシステムの実装をサポートしていただいています」と、そのクオリティへの信頼を語りました。
ターゲットの心を動かすマーケティング戦略の思想
続いてのテーマは、両氏が日々のマーケティング戦略において最も意識している「思考の軸」についてです。
BtoBとBtoC、それぞれの領域で第一線を走るプロフェッショナルならではの異なるアプローチが浮き彫りになりました。
【BtoB】 ファネルを超えた「1社1社との確骨たる関係構築」
コミューンの杉山氏が提示したのは、一般的なマーケティングファネルの枠にとらわれない、徹底した「オフライン投資」と「関係構築」の重要性です。
杉山氏は、「認知を獲得してコンバージョンに繋げるという効率性だけでなく、私たちは1社1社のお客様ときっちり関係を構築していくことを何よりも大切にしています。弊社の顧客の多くは売上高数百億円を超えるようなミドルエンタープライズや大企業の方々ですが、そうした企業のミドル〜エグゼクティブ層の方々は、一般的なウェビナーにはなかなか足を運ぶ時間的な余裕がありません。名刺交換をして、ご連絡をしてから商談をして、と一般的なプロセスをとっていると、実際にお会いしてお話できるまでに数か月かかってしまうこともあります」と話します。
そのため、直接お会いして信頼関係を築ける「オフラインの場」に大きな投資を行っています。
まだ社員が少なかった初期から100人規模のイベントを続けており、最初は純粋にお客様への感謝を伝える「感謝祭」としてスタートしたのですが、結果としてそこから次の受注やご紹介に繋がることが分かりました。
杉山氏は、「信頼関係を先に育てておけば、その後のビジネス展開も圧倒的にスムーズになります」と、人間関係をベースにした戦略の強みを強調しました。
【BtoC】 データ分析の先にある「生の消費者の声」と「違和感」の融合
対するGENDAの宮口氏は、BtoCのマーケティングにおいて「データドリブン」と「人間的な直感(違和感)」のバランスをどのように取るべきか、自身の哲学を語りました。
宮口氏は、「前職のロレアル時代に叩き込まれたのが、『農夫(ロジカルに正しく耕す)』と『詩人(一見わからないが素敵なひらめきを生む)』のバランスです。デジタルマーケティングの世界ではデータを分析して正しい施策を導き出すことは誰でもできるようになりましたが、それだけでは競合を抜き去るブランドを作ることはできません」と語ります。
宮口氏は理系出身でデータ分析を得意としていますが、だからこそ数字に出ない「生の消費者の声」に潜む違和感を徹底的に観察します。過去にはPR施策のYouTubeコメントを数千件すべて読み、消費者のベネフィットに関するキーワードを愚直に数え上げました。
すると、当時のデータにはまだ顕在化したニーズとして現れていなかった小さな兆候が見えてくることがあります。この「普通に考えたら何か違和感があるな」という気づきと、データとしての正しさを掛け合わせることで、市場に刺さるプロモーションを生み出してきました。
フェーズと対象に合わせたクリエイティブ投資の最適解
イベントの核心である「クリエイティブ制作における投資のポイント」について、具体的な施策内容とともに議論が展開されました。
コミューン:対象者のレイヤーと目的に応じた「体験設計」の細分化
杉山氏は、同社が実施している多様なオフラインイベントを事例に挙げ、クリエイティブのトーン&マナーを対象者に合わせてコントロールしている実態を解説しました。
同社では対象者に応じて様々なイベントポートフォリオを組んでいます。
例えば、コミュニティ運営の現場担当者が集まる大型ユーザー会「PORT」では、繋がりの質を高めるために会場設営や配布物もカジュアルに仕上げ、スタッフもスーツではなくロゴTシャツを着用します。
一方で、企業の意思決定層のみをお呼びする「Community Summit」では、ホテルの宴会場など格式高い会場を選び、全員がスーツを着用して照明や空間演出のトーンを徹底的に硬く、重厚に作り込みます。
さらに、普段夜の予定が埋まっているエグゼクティブ層をターゲットにした「朝会」では、朝7時半から外資系のラグジュアリーホテルで少人数での会食・情報交換の場を設計しています。。
杉山氏は、「PORTは、季節によっても、夏は楽しさを重視した船旅や夏祭り、冬は役に立つ実利を重視したカンファレンスといった形でメリハリをつけ、顧客のテンションを最大化するためのクリエイティブ投資を行っています」と語りました。
また、コミュニティの成功には「担当者のやる気」が不可欠であり、そのやる気を引き出すための場としてオフラインイベントへ投資し、対面での関係性を築くことが重要であると付け加えました。
GENDA:市場の認知フェーズを見極めた「訴求軸の転換」と「配置の原点回帰」
宮口氏は、昨今の「シールブーム」はゲームセンターでも大きなトレンドとなっており、このプロモーションを例に、市場の認知フェーズに応じたクリエイティブ戦略の変更について語りました。
宮口氏は、「市場に新商品を投入する際、今が『認知を取るフェーズ』なのか『競合に打ち勝つフェーズ』なのかでクリエイティブを明確に変えています」と説明します。
当初、ゲームセンターに最新のシール商材が置いてあるとは誰も思っていませんでした。
シールを求めて雑貨店や文房具店を巡る人々をゲームセンターに呼び込むため、第一弾のフェーズでは「とにかくゲームセンターにシールがある」というファクトをシンプルかつ強力に伝えるため、インフルエンサーを活用したSNS動画クリエイティブを量産しました。
しかし、4月に実施した第三弾のフェーズでは、すでに競合も参入し「ゲームセンターにシールがあること」自体は当たり前になっていました。そこでクリエイティブの軸を「シールの可愛さ」や「レアリティ(レート)の高さ」の訴求へとシフトさせ、消費者の行動動機を新しく作り出しました。
クリエイティブ投資がもたらした具体的なマーケティング成果
セッションの終盤では、クリエイティブへの投資が実際にビジネスの成果や成長指標にどう寄与したのか、具体的な改善事例が語られました。

既存顧客のロイヤリティを爆発させ、新規成約率を高める「コミュニティアワード」
杉山氏が最も投資対効果(ROI)が高い施策として挙げたのが、毎年開催している顧客の表彰イベント「Commune Community Award」です。
1年間で最も素晴らしい成果を出した顧客企業を審査・表彰するイベントですが、ここでの映像や演出のクリエイティブには非常にこだわっています。
ハイクオリティな映像や舞台を用意することで、受賞者は非常に喜んでくださり、その動画や成果を自社内に誇らしく共有してくれます。
さらに、「導入事例インタビュー」も、アワード受賞という文脈を通すことで、皆様快く出演してくださるようになります。
こうして制作した質の高いインタビュー付きの事例クリエイティブを新規商談に活用することで、成約率が劇的に向上します。
杉山氏は、「業界トップのベンダーだからこそ、こうした既存顧客向けのクリエイティブに一番お金をかけるべきだという判断で、メリハリをつけて投資を続けています」と語りました。
デザインは資産(BS)であるーー投資のレバレッジをどう利かせるか
セッションの締めくくりとして、コメンテーターとして議論を見守っていたオプサー代表の多湖が、両氏の共通点からこれからのクリエイティブ投資における重要な思想を総括しました。
多湖は、「今日のお二人の話を聞いていて非常に面白かった共通点は、『市場の違和感をどう抽出し、その違和感に対してどこにどう投資するかの意思決定を行っているか』という点です。BtoBとBtoCで手法は全く異なりますが、本質的な思考プロセスは完全に一致しています」と語りました。
また、「私たちは日々デザインやクリエイティブの仕事をしていますが、デザインとは本質的に「レバレッジがかかるものであり、実はアセット(資産)という側面があります」と、多湖は説明します。
制作にかかるコストを単なるPL(損益計算書)の「費用」として捉えてしまうと、どうしても削る方向に行ってしまいます。
しかし、杉山氏のアワード動画や、宮口氏のInstagramのように、一度作った質の高いクリエイティブがその後も残り続け、企業の信頼を高めたり、次の受注や予約を生み出し続けたりするのであれば、それはBS(貸借対照表)における「資産」となります。
多湖は、「デジタルやAIが普及し、誰もがそれなりのLPやバナーを作れるようになった時代だからこそ、何のために、どこに頭を使ってクリエイティブを投下し、持続的なレバレッジを利かせるかという体験設計の思想が、企業の成果を大きく分ける分水嶺になると確信しています」と締めくくりました。
大企業からスタートアップまで、多様なビジネスの最前線でクリエイティブを武器に成果を上げ続ける両氏の生々しい実践知が共有され、会場は深い熱気と学びに包まれたまま、トークセッションは幕を閉じました。
今後のご案内
メインセッションにご登壇いただいたスピーカーのお二人、そして参加者の皆様のご協力のおかげで、イベントは盛況のうちに終えることができました。
参加者の方々からは、「クリエイティブの設計から最終的な成果への落とし込みまで、具体的なプロセスや考え方を聞くことができて非常に勉強になった」など、大変好評な声をいただいております。
オプサーは、クリエイティビティやマーケティングの知見を磨き、刺激し合える場を提供できるよう努めてまいります。
次回のイベント開催情報や各種ご案内は、Peatixイベントページにて行いますので、ぜひフォローをお願いいたします。
Peatixをフォローする
https://peatix.com/group/16312832
本イベントに関わる各種団体の詳細や、その他のご案内については以下をご確認ください。
オプサーのサービスサイトはこちら
https://opusr.jp/
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